法事を行う際、「案内状は必要なのか」「電話や口頭ではだめなのか」と悩む人は少なくありません。親族中心の小規模な法事であっても、案内状を出すことで日程や趣旨が明確になり、相手への配慮も伝わります。
法事の案内状は、形式を守りつつも、故人を偲ぶ気持ちと参列者への気遣いを表す大切なものです。ここでは、法事案内状の基本的な書き方、送付時期、マナー、文例までを整理して解説します。
2. 法事の案内状を送る目的と必要性
法事の案内状は、単なる日程連絡ではありません。法要の内容や場所、施主の意向を正式に伝える役割があります。
- 日時・場所を正確に伝える
- 何回忌の法事かを明確にする
- 会食の有無など参列判断に必要な情報を示す
- 書面で丁寧に依頼することで失礼を避ける
特に遠方の親族や高齢者がいる場合、書面での案内は重要です。
3. 法事案内状を送る時期の目安
法事の案内状は、法要日の1か月前から3週間前を目安に送るのが一般的です。
- 遅くとも:2週間前まで
- 遠方の親族が多い場合:1か月以上前
あまり早すぎると予定が確定していない場合もあるため、日程・会場が確定してから送付しましょう。
4. 法事案内状の基本構成
法事の案内状には、以下の要素を簡潔にまとめます。句読点を使わない書式が一般的です。
- 時候の挨拶(簡潔で可)
- 故人の名前と続柄
- 何回忌の法事であるか
- 法要の日時・場所
- 会食の有無
- 出欠確認のお願い
- 施主の氏名と連絡先
5. 法事案内状の文例
5-1. 会食ありの場合の文例
拝啓
〇〇の候 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
さて 亡父〇〇の三回忌法要を下記のとおり相営みたく存じます
ご多用中とは存じますが ご参列賜りますようお願い申し上げます
法要後 ささやかながら会食の席を設けております
敬具
記
一 日時 令和〇年〇月〇日 午前〇時より
一 場所 〇〇寺(住所)
恐れ入りますが 〇月〇日までにご出欠をお知らせください
令和〇年〇月
施主 〇〇
5-2. 会食なしの場合の文例
拝啓
亡母〇〇の一周忌法要を下記のとおり執り行います
誠に勝手ながら 法要のみとさせていただきますことをご了承ください
ご都合がよろしければ ご参列いただけますと幸いです
敬具
6. 送付方法と封筒のマナー
法事案内状は、白無地または控えめなデザインの封筒を使用します。二重封筒は「不幸が重なる」とされるため避けるのが一般的です。
- 郵送が基本
- 親しい間柄でも正式な案内は書面が無難
- 差出人は施主名で統一
親族内で事前に口頭連絡をしている場合でも、正式な案内状を送ることで認識のズレを防げます。
7. まとめ:形式と配慮のバランスが大切
法事の案内状には一定の形式がありますが、最も重要なのは参列者への配慮です。難しい表現にこだわる必要はなく、日時や意向が正確に伝わることを優先しましょう。
案内状を丁寧に整えることは、故人を大切に思う気持ちを形にすることでもあります。無理のない範囲で準備を進め、落ち着いて法事当日を迎えられるようにしましょう。
