年賀状・喪中はがきの出し方・文例と時期

身内に不幸があった年の年末年始は、年賀状を出してよいのか、喪中はがきを出すべきなのか、判断に迷う人が少なくありません。特に初めて喪中を迎える場合、「誰に」「いつ」「何を書いて」送ればよいのか分からず、不安になることも多いものです。

年賀状や喪中はがきは法的な義務ではありませんが、相手への配慮として重要な役割を持ちます。ここでは、年賀状と喪中はがきの基本的な考え方、出す時期、文例までを整理して解説します。

2. 喪中はがきとは何か

喪中はがきは、近親者が亡くなったことを知らせると同時に、「新年の挨拶を控える」意思を伝えるためのものです。お悔やみを求めるための通知ではない点が重要です。

一般的に喪中とされる範囲は、配偶者、父母、子、兄弟姉妹、祖父母などの近親者ですが、同居していた叔父・叔母などを含めるケースもあります。明確な決まりはなく、故人との関係性や自身の気持ちを基準に判断します。

喪中はがきは、年賀状の準備が始まる前に相手へ届くように出すのが基本です。

この時期を過ぎると、相手がすでに年賀状を準備・投函している可能性が高くなります。もし喪中はがきが遅れた場合は、年明けに寒中見舞いで対応する方法もあります。

喪中はがきは、簡潔で落ち着いた文章が基本です。句読点を使わない形式が一般的とされています。

喪中につき年頭のご挨拶を差し控えさせていただきます
本年〇月に父〇〇が永眠いたしました
生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます
寒さ厳しき折皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます

喪中の場合、原則として年賀状は出しません。ただし、次のような例外もあります。

年賀状を受け取った場合でも、返事として年賀状を出す必要はありません。代わりに寒中見舞いで対応するのが一般的です。

喪中はがきを出しそびれた場合や、喪中で年賀状を控えた後の返礼には、寒中見舞いを使います。期間は松の内明けから立春前までが目安です。

寒中お見舞い申し上げます
昨年〇月に母が永眠いたしましたため年頭のご挨拶を控えさせていただきました
ご丁寧な年賀状をいただきありがとうございました
厳寒の折皆様のご健勝をお祈り申し上げます

年賀状や喪中はがきには細かな慣習がありますが、最も大切なのは相手への気遣いです。完璧な形式にこだわりすぎる必要はなく、自分の状況を丁寧に伝えることが重要です。

迷ったときは、喪中はがきや寒中見舞いという選択肢を思い出し、無理のない形で対応しましょう。落ち着いた言葉で伝えることで、相手にも誠意は十分に伝わります。