家族が亡くなった後、日常的に使っていた電話やインターネット回線は自動的に止まるわけではありません。解約や名義変更を行わない限り、料金の請求が続いたり、不要な機器が残ったりすることがあります。
本記事では、固定電話・携帯電話・インターネット回線それぞれの解約手続きについて、必要書類や適切な時期、注意点を整理し、遺族がスムーズに進めるための基礎知識を解説します。
1. 解約が必要になる主な回線の種類
まず、解約や整理の対象となる回線を把握しておくことが重要です。
- 固定電話(加入電話・IP電話)
- 携帯電話・スマートフォン
- 自宅のインターネット回線(光回線・ケーブル回線など)
それぞれ手続き方法や必要書類が異なるため、回線ごとに確認する必要があります。
2. 固定電話の解約手続き
固定電話は、契約名義人が亡くなった場合でも、利用停止や解約の申請を行わなければ料金が発生し続けます。
一般的な解約手続きの流れは次のとおりです。
- 契約している通信会社へ連絡
- 死亡の事実を伝える
- 必要書類を提出
- 解約日を確定
必要書類としては、死亡が確認できる書類(死亡診断書の写しなど)や、手続きする人の本人確認書類が求められることが一般的です。
3. 携帯電話・スマートフォンの解約
携帯電話やスマートフォンは、料金プランや端末の分割払い状況によって、注意点が増えます。
解約時に確認すべき主なポイントは以下のとおりです。
- 端末代金の残債があるか
- 解約金や違約金が発生するか
- データ(写真・連絡先)の保存が必要か
解約後は端末が使えなくなるため、写真や連絡先などのデータは事前にバックアップしておくことが大切です。
4. インターネット回線の解約手続き
自宅のインターネット回線も、名義人が亡くなっても自動解約にはなりません。光回線やケーブル回線など、契約形態に応じた手続きが必要です。
一般的な流れは次のとおりです。
- プロバイダ・回線事業者へ連絡
- 解約希望日を伝える
- レンタル機器の返却手続きを行う
モデムやルーターなどのレンタル機器は、返却しないと違約金や機器代が請求される場合があります。返送方法や期限を必ず確認しましょう。
5. 解約に必要となる主な書類
多くの通信会社で共通して求められる書類は以下のとおりです。
- 死亡を証明する書類(死亡診断書・除籍謄本など)
- 手続きする人の本人確認書類
- 契約者との関係が分かる書類(戸籍など)
提出方法は、郵送・オンライン・店頭など会社によって異なります。事前に確認することで、手続きを一度で済ませやすくなります。
6. 解約の適切なタイミング
電話やインターネット回線の解約には、法的な期限はありませんが、早めの対応が望ましいとされています。
- 月額料金の無駄な支払いを防げる
- 不要なトラブルを回避できる
- 他の相続手続きと並行して整理できる
目安としては、葬儀や初期の相続手続きが一段落した後、1〜2か月以内に進めると負担が少なくなります。
7. 解約せずに名義変更する選択肢
回線をそのまま利用したい場合は、解約ではなく名義変更という選択肢もあります。
- 家族が同じ電話番号を使い続けたい場合
- インターネット回線を引き続き利用する場合
名義変更には別途手続きや書類が必要になるため、解約とどちらが適しているかを比較して判断しましょう。
まとめ
電話・インターネット回線は、解約や名義変更を行わない限り契約が継続し、費用が発生し続けます。固定電話・携帯電話・インターネット回線それぞれの特徴を理解し、必要書類を揃えて計画的に手続きを進めることが大切です。
「使わない回線は早めに整理する」という意識が、葬儀後の実務負担と無駄な出費を減らします。落ち着いたタイミングで一つずつ対応していきましょう。
