故人を偲び、ご遺族に哀悼の意を伝える場である葬儀では、礼儀正しい立ち振る舞いが何よりも大切です。
とくに葬儀会場における到着・着席・退場の所作は、場の空気や他の参列者への配慮を反映するもの。緊張や悲しみの中でも、マナーを心得ておくことで、落ち着いて対応することができます。
この記事では、葬儀会場における基本的な流れと、それぞれの場面での注意点を具体的にご紹介いたします。
1. 会場への到着時のマナー
● 到着時間
葬儀には開始時刻の15〜30分前には到着するのが基本です。遅刻は失礼にあたるため、時間には余裕を持ちましょう。
● 受付の流れ
- 受付で軽く一礼し、香典を差し出します
- 記帳が求められた場合は丁寧に氏名を記入
- 遺族や喪主に一礼、必要に応じて「このたびはご愁傷様です」などとお悔やみの言葉を添えます
● スマートフォンの扱い
会場内では電源を切るかマナーモードにし、通話・撮影は絶対に避けましょう。
2. 着席時のマナー
● 席次の基本
会場内では一般的に、前列=近親者・親族、後列=一般参列者となります。自分の立場をわきまえて席に着きましょう。
● 着席の際の注意点
- 静かに着席し、会話は控える
- 荷物は足元または椅子の下に置く
- 脚を組んだり、背もたれに寄りかかったりしない
● 式中の姿勢
式中は背筋を伸ばし、静かに故人を偲ぶ態度が求められます。読経や焼香の際は、周囲に合わせて丁寧に行動します。
3. 退場時のマナー
● 焼香後の一礼
焼香を終えた後は祭壇に一礼し、ご遺族にも軽く会釈をして席へ戻ります。退場の際にも深々と礼をすることで気持ちが伝わります。
● 退出のタイミング
式が終わった後は、司会者や葬儀スタッフの案内に従って退場します。慌てず、順序よく退出するのがポイントです。
● 遺族へのご挨拶
出口付近でご遺族が並んでいる場合は、軽く頭を下げて「このたびは誠にご愁傷様でした」などと伝えましょう。長話は避け、哀悼の意を静かに表すのが望ましい姿です。
4. 注意すべきマナー違反
- 大きな声での会話や笑い声は厳禁
- 香典袋が汚れていたり、金額に相応の書き方でない場合は失礼に
- 奇抜な服装や香水の使用も避ける
- 無断撮影やSNS投稿はマナー違反
まとめ
葬儀は、故人の人生を偲び、遺された方々とともに悲しみを共有する場。だからこそ、一つ一つの所作や言葉に「敬意」と「慎み」が求められます。
到着・着席・退場という流れの中にも、場の空気を壊さないようにする思いやりが必要です。この記事を参考に、心を込めた参列をしていただければ幸いです。