近年、故人とごく親しい人たちだけで静かに見送る「家族葬」を選ぶ人が増えています。その背景には、葬儀の簡素化や費用を抑えたいという現実的な理由も少なくありません。
とはいえ、「家族葬でもけっこうお金がかかった」「何にいくらかかるのか分かりづらい」という声も少なくないのが実情です。
この記事では、家族葬にかかる主な費用の内訳と、品質を落とさずに節約するためのポイントをわかりやすく解説いたします。無理のない予算内で、心のこもった見送りができるよう参考にしてください。
家族葬の平均費用はどれくらい?
全国的な統計では、家族葬の費用はおおよそ50万円〜120万円程度が相場とされています。規模や地域、葬儀社によって差が出ますが、一般葬よりは費用を抑えやすい傾向にあります。
家族葬の費用内訳
1. 基本プラン費(20万〜60万円)
葬儀社が用意する基本セットで、祭壇設営、棺、遺影、寝台車、ドライアイス、火葬場手配などが含まれます。
2. 施設使用料(5万〜20万円)
葬儀場や会館、安置施設の使用料です。自宅で行う場合は不要になることもあります。
3. 火葬費用(3万〜10万円)
自治体によって異なりますが、直営火葬場なら安価に、民間施設では高めの料金になります。
4. 飲食・返礼品(5万〜20万円)
通夜ぶるまいや精進落とし、返礼品の費用。人数が少ない分、ここを節約しやすいのが家族葬の利点です。
5. 僧侶へのお布施(5万〜20万円)
読経・戒名・法要を依頼した場合に必要となる費用です。宗派によって大きく異なります。
節約ポイントと注意点
1. 見積もりを複数比較する
同じ規模・内容でも葬儀社によって価格差があります。必ず2社以上から見積もりを取り、費用内訳を比較しましょう。
2. パッケージプランを活用する
一から項目を追加していくよりも、パッケージプランを選んだ方がコストを抑えやすい場合があります。内容と金額のバランスを確認しましょう。
3. 会場選びを工夫する
地域の公営斎場や、自宅での葬儀を選択することで施設使用料を大幅に削減できます。
4. 返礼品や飲食は必要最小限に
参列者が少ない家族葬では、大量の返礼品や豪華な食事は不要なケースも。人数に見合った無駄のない手配が大切です。
5. お布施は事前に相談可能
お布施は「お気持ちで」と言われることもありますが、あらかじめ目安を尋ねることは失礼ではありません。葬儀社を通じて確認するのも一つの方法です。
葬儀後に必要な費用も忘れずに
葬儀が終わった後にも、四十九日法要や納骨、遺品整理、各種手続きの費用がかかります。家族葬が終わったからと安心せず、トータルで予算を考えておくことが大切です。
まとめ
家族葬は、形式にとらわれず、心のこもった見送りができる現代的な葬儀スタイルです。その一方で、必要な費用や内訳は明確に把握しておかなければ、思わぬ出費につながることもあります。
事前に見積もりを比較し、不要なサービスを削減しつつ、最低限必要なものにはしっかり費用をかける——このバランスが、満足度の高い家族葬につながります。
無理なく、大切な人を心から送り出すために。この記事が、皆さまの参考となれば幸いです。