ビジネス関係者として葬儀に参列する場合、「名刺交換をしてもよいのか」「挨拶はどのようにするべきか」といった疑問を抱く方も多いことでしょう。
特に企業の代表としての立場や、取引先関係者として出席する場合、ビジネスマナーと葬儀マナーの間で判断に迷う場面が訪れます。
本記事では、葬儀の場における名刺交換の是非と、ビジネス関係者が気をつけるべき立ち居振る舞い、そして関係性に応じたマナーについて詳しく解説いたします。
葬儀での名刺交換は基本的に避けるべき
1. 名刺交換はビジネスの開始を意味する行為
名刺交換は本来、仕事上の関係を始めることを意味するビジネスマナーのひとつです。しかし、葬儀の場は「故人を悼むこと」が主目的であり、ビジネス的な行為は場にそぐいません。
そのため、葬儀や通夜の会場で名刺交換を行うことは、基本的にマナー違反とされます。
2. どうしても必要な場合の対応
たとえば「初めて顔を合わせるが、どうしても今後の連絡先を交換しておきたい」など、やむを得ない事情がある場合は、式典終了後や控室など、落ち着いた場所でタイミングを見て名刺を差し出すことは可能です。
この際も、「本日はこのような場ですので、失礼かとは思いますが」と前置きをするなど、最大限の配慮を心がけましょう。
ビジネス関係者としての基本マナー
1. 服装は会社訪問以上の厳粛さを
ビジネスシーンとは異なり、葬儀では黒のスーツ・白のワイシャツ・黒のネクタイというフォーマルな喪服スタイルが基本です。華美なアクセサリーや香水も避けましょう。
2. 挨拶は簡潔・控えめに
遺族への挨拶は「このたびはご愁傷さまでございます」と短く伝えれば十分です。社名や役職を口にする必要はなく、「○○社の者でございます」と名乗る程度にとどめるのが丁寧です。
3. 会話や商談は一切控える
たとえ親しい取引先であっても、ビジネスの話題や業務連絡をこの場で行うのは厳禁です。あくまでも故人を偲び、弔意を伝えることに専念すべき場です。
香典や供花の名義について
会社名義で香典や供花を出す場合、名札や芳名帳には「○○株式会社 代表取締役 ○○○○」のように記入します。この際も、あくまでも“企業を代表しての弔意”という姿勢を大切にしましょう。
また、個人名と連名にする場合は、上下関係に注意し、役職順や五十音順など社内ルールに従って記載します。
まとめ
葬儀の場での名刺交換は、基本的に避けるのが礼儀です。やむを得ない場合でも、タイミング・言葉遣い・場の空気に最大限の配慮が求められます。
また、ビジネス関係者としての参列時は、葬儀マナーを重んじた立ち居振る舞いを心がけることで、遺族への敬意が伝わると同時に、企業の信頼感にもつながります。
「喪に服す」場であることを常に意識し、故人と遺族に対して静かな敬意を捧げる。それこそが、真に社会人としてふさわしい弔意の形と言えるでしょう。